TDKは,光ディスクや磁気テープなどの記録メディアの販売事業を米Imation Corp.に譲渡すると発表した(発表資料)。開発・製造部門は維持してImation社を含む複数企業へのOEM供給を続けるが,エンド・ユーザー向けの販売業務は切り離す。Imation社はブランド「TDK」の使用許諾を受け,既存ブランド「Imation」「Memorex」と並行してTDK製品を販売していく。

 TDKの記録メディア事業はここ数年,赤字が続いており,2006年度(2006年4月~2007年3月)も20億円程度の営業損失を計上する見込み。同社は「成熟市場で台湾やインドのメーカーとまともに価格競争をするのは厳しい」との判断で,2006年3月には記録型CD/DVD製品の製造から撤退するなど,事業再編を進めてきた(Tech-On!関連記事)。今回の事業譲渡もこうした構造改革の一環という。

 今回の譲渡契約に基づき,記録メディアの国内販売子会社であるTDKマーケティングを含む全世界の子会社6社と,子会社3社の当該事業部門,従業員400人がTDKからImation社に移籍する。記録メディア事業の年間売上高1000億円超のうち,6割ほどがImation社に渡ることになる。TDKは,これまでの2割を従来通りのOEM事業で,同じく2割をImation社へのOEM事業で確保する見込みという。

 事業譲渡の対価はImation社の株式2億8000万米ドル分(約336億円)と現金2000万米ドル(約24億円)。TDKはImation社の株式を17%保有することになり,筆頭株主となる。保有比率22%は超えないとの契約が交わされているが「TDKブランドの品質維持を図る意味で,将来的には20%超としたい」(TDK)とした。