米Microsoft Corp.は2007年4月15日,ラスベガスで開催中のNAB 2007(2007 National Association of Broadcasters conference)において,WWWで透明化や3次元グラフィックスなどの豊かな表現を利用したユーザー・インタフェースを実現できる技術「Silverlight」を発表した。 元々は「WPF/E(Windows Presentation Foundation/Everywhere)」という開発コード名で呼ばれていたもの。

 SilverlightはWindows VistaとInternet Explorerの組み合わせだけでなく,MacintoshやLinuxといった他社製OS,SafariやFirefoxといった他社製ブラウザーでも利用可能。SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)が定めたVC-1規格に準拠する,Windows Media Video(WMV)を利用することによって,多種多様な映像コンテンツの再生にも対応。モバイル環境からHDTVまで対応可能な動画コンテンツをWWWを通じて配信できるという。また,著作権管理技術「PlayReady」など,既存のWindows Mediaに関連した技術を利用できる点が売りの一つだ。

 Silverlightは米Adobe Systems Inc.の「Flash」に対抗する技術と言われている。Flashがアニメーション再生をコンテンツの中核に据えているのに対し,SilverlightはWPF(Windows Presentation Foundation)をベースとしているので,3次元表現や透明化など,アニメーション以外の表現も利用できる。表現の豊かさではSilverlightに軍配が上がる。しかしFlashは既にパソコンの95%以上にインストールされたとみられ,携帯電話機などにも移植されている。コンテンツの到達性を考えると,しばらくはFlash有利の状況は動きそうにない。Microsoft社は表現能力の高さなどを売りにして,直接Flashとは競合しないと主張しているが,コンテンツ提供者はFlashと比較しているのが現状である。