図1 「Editing Unleashed」(編集が抑圧から開放される)というキャッチ・コピーを付けた
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図2 圧縮効率の高い「ProRes 422」形式に対応
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図3 「Final Cut Pro 6」の画面例
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図4 発表前までは掲示されていなかった巨大なポスターが展示会場にお目見え
図4 発表前までは掲示されていなかった巨大なポスターが展示会場にお目見え
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 米Apple, Inc.は米国時間の2007年4月15日,「NAB 2007」開催中の米ネバダ州ラスベガスで,プロフェッショナル向け映像編集ソフトウエアの新版「Final Cut Studio 2」を発表した(発表資料の日本語版)。複数の映像ファイルを組み合わせて映像を作成する「Final Cut Pro 6」を中核とするソフトウエア群で,動きのあるグラフィックスを編集して映像に重ねあわせるソフトウエアや,映像に合わせて音声を組み合わせたり編集したりするソフトウエアなどで構成する。今回の新版ではこれらの既存ソフトウエアの機能を強化したほか,「Color」と呼ぶ色調補正のソフトウエアを追加した。

 Final Cut Pro 6は,30ビット・フルカラーに対応するとともに圧縮率を高めたApple社の編集用映像符号化方式である「ProRes 422」に対応し,複数種類の符号化方式や画素数の映像を組み合わせる場合でも編集作業中は符号化し直さずに済むようにした。ProRes 422を使うと,HDTV映像をSDTV映像と同等のファイル容量にできると説明しており,MPEG-2で約1Tバイトだったデータの例では約190Gバイトに圧縮できたとする。Apple社によれば,ソニーや松下電器産業などの放送・撮影用機器メーカーがProRes 422の対応を計画しているという。

 このほかApple社は,映像データを管理するサーバー向けソフトウエア「Final Cut Server」を新たに発表した(発表資料の日本語版)。登録した映像のサムネイル画像と低解像度の映像を自動で生成するため,編集者はそれらを確認しながら映像を選択できる。選択した映像はドラッグ・アンド・ドロップでFinal Cut Proに登録可能である。複数の編集者間で映像の閲覧や承認を行うためのワークフロー機能も提供する。