エルピーダメモリは,2006年度通期(2006年4月~2007年3月)の業績見通しを明らかにした。売上高は前年度の2倍超となる4900億円を見込み,営業利益は前年度にわずか1億4400万円にとどまったのに対して680億円の見通しだ。前年度は47億800万円の赤字だった純損益も530億円の黒字に転じる見込み。

 第3四半期(2006年10月~12月)までDRAM出荷の大幅増が続き,価格も高水準で推移したことが好決算につながった。第4四半期(2007年1月~3月)も出荷量は前年同期比で約40%伸長する見込みだ。ただし,平均販売単価が約30%低下しているため,前年同期に比べて利益は落ち込むと見通す。

 第4四半期のDRAMの出荷増は,2007年1月に発表した成長率20%を大きく上回るものとなった。これは広島エルピーダでの生産性向上による生産量の増加などによるものという。単価の下落はパソコン向けDRAM相場の大幅な急落と,エルピーダの売り上げ構成の変化によるものと説明する。

200mm生産ラインの代金は3億2000万ドル

 同社は同時に,かねて報告していた広島エルピーダの200mmウエハー対応生産ラインの譲渡について,譲渡価格と物件引渡し期日を明らかにした(Tech-On!関連記事)。譲渡価格は3億2000万米ドル,引渡し期日は2007年4月27日を予定している。2007年11月末までにウエハー処理能力の1/2相当の装置を搬出し,2008年中には残りの装置の搬出も完了する計画という。