WILLCOM Sync Mobileのシステム。米Intellisync Corp.の「Intellisync Server」を使って同期する。企業内にデータ中継用のパソコンを1台用意して稼働する必要がある。ウィルコムの発表資料から
WILLCOM Sync Mobileのシステム。米Intellisync Corp.の「Intellisync Server」を使って同期する。企業内にデータ中継用のパソコンを1台用意して稼働する必要がある。ウィルコムの発表資料から
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 ウィルコムは2007年4月3日,グループウエアや電子メールといった企業システムと,同社のPHS端末を接続するためのサービス「WILLCOM Sync Mobile」サービスを4月16日から始めると発表した(発表資料)。

 WILLCOM Sync Mobileは,米Microsoft Corp.の「Microsoft Exchange Server」や米IBM Corp.の「Lotus Notes/Domino」といったグループウエアを利用している企業のユーザーが,外出先でPHS端末を使って,スケジュールを確認,変更したり,メールの送受信ができたりするようにするサービス。ウィルコムのPDA型PHS端末「W-ZERO3シリーズ」やcHTML(compact HTML)対応のPHS端末で利用できる。

 ウィルコムのデータ・センターで運用する米Intellisync Corp.の「Intellisync Server」を使って,利用企業の社内にあるグループウエア・サーバーとPHS端末の間を中継する仕組み。モニタ・プログラムが稼働するパソコンを社内に用意し,グループウエア・サーバーとIntellisync Serverとの通信を仲立ちする。

 モニタ・プログラムとIntellisync Serverの通信にはHTTPプロトコルを使うため,企業のファイアウォールなどの設定を変更することなく利用できる。また,モニタ・プログラムとPHS端末の間の通信はAESを使って暗号化するのでセキュリティは保たれるとする。

 WILLCOM Sync MobileをW-ZERO3と組み合わせて使う場合は,Windows Mobileで動作する専用クライアント・ソフトウエアを使う。これにより端末がメールを自動的に取得する「プッシュ型メール」やスケジュール,アドレス帳などのリアルタイム更新が可能になる。また,端末を紛失した時に備えて,W-ZERO3をリモートで初期化する「リモートデータ消去」機能を備える。

 プッシュ型メールなど備えた移動体通信端末と企業内グループウエアを連携して利用するサービスは,カナダResearch In Motion Ltd.が開発・販売する「BlackBerry」が導入したことで,米国などで広く普及している。ウィルコムは今回のサービスを,国内ではNTTドコモが販売しているBlackBerryに比べて,「導入費用は桁違いに安く,通信費用を含めたランニング・コストも半額以下と安い。1人のユーザーから利用できる手軽さもアピールしたい」(同社ソリューション推進部サービスマネージメントグループ 課長補佐の図子純也氏)とする。

 WILLCOM Sync Mobileの利用料金は1端末あたり月額1800円。ウィルコムPHSの電話番号1個に付き1IDとして契約できる。サービスは1IDから受けられる。