三菱電機は,同社のシステムLSI「eRAM/SI」の開発環境に,米CoWare, Inc.のハードウエア-ソフトウエア協調設計ツール「N2C」を統合したと発表した。同開発環境は,これまでハードウエア-ソフトウエア協調検証から実機によるデバグまでカバーしていた。今回,さらに上流用のツールを加えた。これで,システム・レベルでC言語を使った仕様・方式の検証が可能になった。

 N2Cの統合を機に,三菱電機はIPコアのN2C用モデルを提供する。具体的には,機能検証用C言語モデル「Bus Function Accurate Package(BFP)」と,タイミング検証用C言語モデル「Cycle Accurate Package(CAP)」である。「BFP とCAPを提供することで,従来に比べて,開発のより早い段階での検証が可能になる」(同社)。三菱電機を含め,これまでIPコアのモデルといえば,VHDLやVerilog-HDLといったHDL(hardware description language)で記述したモデルだけという場合が多かった。今後,三菱電機は,IPコアに関しては,BFP とCAPと HDLモデルの三つを提供していくことになる。

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