ISO/IEC14443 Type Aに準拠した低価格の非接触ICカード
ISO/IEC14443 Type Aに準拠した低価格の非接触ICカード
[画像のクリックで拡大表示]

 大日本印刷は,廉価版の非接触ICカードを発表した。ISO/IEEE 14443 Type Aに準拠したもので,既存のMIFAREカード用リーダー/ライターのほか,NFC(Near Field Communication,ISO/IEEE 18092)方式のリーダー/ライターで読み書きできる。メモリ容量は,書き換え可能領域が48バイト,書き換え不可の個別ID番号用領域が7バイト。10万枚発行時,紙カードなら1枚で約50円という価格を実現した。

 非接触ICカードは,電子マネーや交通乗車券,社員証などに採用されているが,チケット,回数券,診察券,商品券などの用途では,コストが課題となり導入が進んでいない。同社は,低価格の製品を投入することにより,この分野での需要獲得を狙う。NFCリーダー/ライターでは,今回の新製品およびMIFAREカードと,FeliCaカードの両方を利用できる。これにより,電子マネー用などとして普及している現行のICカードと,ポイント・カードやクーポン券として発行される見込みの今回のカードを,同じ会員カード・システムで扱うことが可能という。

 同社は,ICカードだけではなく,リーダー/ライターおよび利用システムも提供していく。

 素材は,コート紙に加え,PET(ポリエチレンテレフタレート)も用意した。カードの厚みは,0.3~0.8mm。2007年3月より順次,評価用サンプルを出荷し,2007年内に販売を開始する計画。同製品およびその関連の売上高として,3年間で50億円を見込んでいる。なお,同社は新開発したICカードを,2007年3月6日~9日まで東京ビッグサイトで開催されている「IC CARD WORLD 2007」に出展している。