中国Lenovo社が,同社製ノート・パソコン用電池パックに不具合があったとして20万5000個の自主回収に踏み切った(発表資料)

 ユーザーから5件の事故が報告されたのは,三洋電機製の9セルLiイオン2次電池だ(発表資料)。ノート・パソコン本体から一部飛び出した状態で装着される大容量タイプのもので,パソコン本体の落下などで強い衝撃が加わったときに事故が起きた。「落下試験も当然実施していたが,背負ったバックパックという,試験で想定していた机の高さより高いところからの落下で事故が起きた。電池パックのプラスチック・ケースが直撃を受ける形で落ちた場合に破損し,電池内部の過熱により煙や火花が出た」(レノボ・ジャパン広報)。

 三洋電機は,「電池セルそのものには問題がなかった。電池パックの設計の問題で強度が不足していた。電池パックはLenovo社が基本設計を示して当社が詳細に設計した」としており,回収・交換の費用は両社で負担するという。比率については今後協議するとして明らかにしていない。無償交換用の電池パックについては,既に設計を改良済みだ。

 回収対象となるのは,「ThinkPad」のRシリーズ(R60,R60e),Tシリーズ(T60,T60p),Zシリーズ(Z60m,Z61e,Z61m,Z61p)に搭載された電池パックの一部。米国に10万個,それ以外の地域に10万5000個が出荷されている。日本では2000個以下という。