今回の3GSM Congressでトピックの一つになったのが,「Femto Cell(フェムト セル)」である。超小型の携帯電話基地局装置で,家庭やオフィスでの利用を想定したもの。例えば家庭に設置して,有線のブロードバンド回線と接続すると,家庭で携帯電話機から通話する際に,より安価な有線回線を使えるようになる。
HSDPA対応も
NECは,英UbiquiSys社の「ZoneGate」と呼ぶシステムを用いた出展を行った(ZoneGateに関するページ)。ZoneGateは,GSMおよびW-CDMAの送受信回路を備えるほか,Ethernetインタフェースを持つ。携帯電話機とはGSMもしくはW-CDMAで接続し,音声データなどはEthernet経由で家庭用のブロードバンド装置に送る。
ZoneGateは,英picoChip社のブースにも展示されていた。同ブースでは,picoChip社の携帯電話基地局用LSI「PC20Xシリーズ」を使った場合の設計例を展示していた。picoChip社は同様のLSIを,ZoneGate以外のfemto cell向けに供給しているという。
韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.も,同様のコンセプトの家庭向け基地局として「Ubicell」を出展した。CDMA2000 1x方式と,W-CDMA(HSDPA)方式の2種類がある。電波の送信出力は,前者が50mWで後者が63mW。4ユーザーを同時に接続できるという。
なおFemto Cellに関しては,スウェーデンEricsson社も2007年中ごろから製品を出荷するとしている(発表資料)。