NokiaのケータイでYouTube
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Nokia社CEOのKallasvuo氏
Nokia社CEOのKallasvuo氏
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DVB-H対応のN77。会場で映像表示を実演
DVB-H対応のN77。会場で映像表示を実演
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NokiaのGPSケータイ
NokiaのGPSケータイ
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 フィンランドNokia Corp.は,3GSM World Congressの記者発表会において,同社の携帯電話事業への戦略を明らかにした。今年注力する三つの分野として「モバイルTV」「位置情報」「ビジネス用途」を挙げ,その戦略に沿った携帯電話機の新機種を6種類紹介した。

モバイルTVがメインストリームに

 まずモバイルTVに関しては,米YouTube, Inc.と提携してYouTubeの映像をNokia社のNシリーズの携帯電話機で再生できるようにした。Nokia社の専用ブラウザ・ソフトウエアを利用する。「YouTubeの動画を,いつでもどこでも楽しめるようになる」(同社President兼CEOのOlli-Pekka Kallasvuo氏)。Nokia社の専用ブラウザ・ソフトウエアや「Nokia Video Center」と呼ぶプラットフォームを利用する。

 加えて携帯機器向けの地上デジタル放送規格「DVB-H」の受信機能を備えた携帯電話機を拡充する方針を明らかにした。「DVB-Hに対応する携帯電話機は,2008年で500万台~1000万台に,2009年末までには2000万台の市場になるだろう。これを牽引するように,DVB-H用受信チップセットの価格は,2007年で7ユーロ程度に下がるとみている」(同社President兼CEOのOlli-Pekka Kallasvuo氏)。Nokia社は世界初のDVB-H受信機能内蔵の携帯電話機「N92」を販売するなど,当初からDVB-Hに積極的だった。今回も,DVB-H機能を備える新機種「N77」を発表した(発表資料)。N77はこれまでのDVB-H対応機種に比較して軽量であるほか,200万画素のカメラ機能などを備える。価格は370ユーロ程度を予想する。

 次に位置情報に関しては,GPS受信機能を内蔵した携帯電話機「Nokia 6110 Navigator」を発表した(発表資料)。「GPS機能は,いずれ携帯電話機の必須機能になる」(同社President兼CEOのOlli-Pekka Kallasvuo氏)。内蔵するGPS機能のみでナビゲーション機能を利用できるが,携帯電話網を活用したA-GPSを利用すればさらに豊富なアプリケーションで利用できるという。

 最後にビジネス用途への期待について語った。「現在30億台の携帯電話機が利用されているが,まだまだビジネス分野での利用は少ない。ビジネス・モビリティは次の成長市場である」(Nokia社)。同社はこれまでにビジネス用途に向けた端末シリーズとして「Eシリーズ」を展開しているが,今回そのラインナップに「E90」「E65」「E61i」の3機種を追加した(発表資料)。なかでも最上位機種のE90 Communicaterは,HSDPAに対応するほか,無線LAN,GPS,320万画素のカメラ,FMチューナ,Bluetoothなど各種機能が満載された端末となっている。このほか,シンプルな携帯電話機として「Nokia 3110」を発表している(発表資料)。