三菱電機は,2006年度第3四半期(2006年10~12月)の連結決算を発表した。売上高は8715億円,営業利益は635億円を計上。前年度同期と比べてそれぞれ4%,30%増えた。収益の柱である重電システム事業と産業メカトロニクス事業が堅調に推移し,業績を底上げした。

 重電システム事業の売上高は2032億円,営業利益は148億円。前年度同期と比べてそれぞれ9%,26%増えた。交通インフラや電力システムへの投資需要が伸びたという。

 産業メカトロニクス事業の売上高は2366億円,営業利益は374億円。前年度同期と比べてそれぞれ9%,19%増えた。増収・増益は,国内外の旺盛な設備投資に支えられたところが大きい。具体的な製品としては,工作機械向けNCや板金レーザ加工機などが売り上げを伸ばした。

 だが,今後の設備投資需要に関しては決して楽観できないという。国内は,一部メーカーがFPD生産拠点への投資を延期したほか,自動車メーカーからの需要も減速基調にあるからだ。韓国や台湾でもFPD関連の投資需要は冷え込んでいる。一方で,国内の半導体やデジタル機器用素材,NC,放電加工機などの需要は依然として好調。国別では,中国の需要は堅調,欧州は回復基調,米国は減速気味だが底堅いといった状況。「昨年度もこの時期は設備投資が減速したが春になって盛り返した。従って,現時点ではこのまま減速するのかどうかの判断はできない」(同社専務執行役の佐藤行弘氏)という。

 2006年12月までの9カ月累計では,売上高が2兆6635億円,営業利益が1571億円となった。営業利益率は5.9%で,現時点では公約の5%を大きく上回っている(前年度の9カ月累計では3.8%)。2006年度通期の業績は,売上高3兆7000億円(前年度同期比3%増),営業利益1800億円(同14%増)を見込む。

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