オンキヨーのHDC-1.0
オンキヨーのHDC-1.0
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独自開発した排熱ダクト。ドライブを制震するため,ブチルゴムを張り付けているのも見える
独自開発した排熱ダクト。ドライブを制震するため,ブチルゴムを張り付けているのも見える
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 オンキヨーは2007年2月1日,音質を高めることに注力したパソコン「HDC-1.0」を発表した。「HDオーディオPC」という名称で,今後シリーズ展開していく考え。Windows Vistaでは,パソコンのリビングルームへの浸透を図る。オンキヨーのオーディオ特化というアプローチが実を結ぶかどうかは未知数だが,新たなパソコン像の一つとして注目したいところ。

 オーディオ特化のポイントは大きく三つ。筐体を同社の「205シリーズ」と同サイズにすることで,ミニコンポと見まがう形にすると同時に,熱処理に必要なファン・ノイズを抑えこんだこと。放熱ダクトを新規設計し,ファンをゆっくり回すことで十分な排熱ができるようにした。これにより,動作ノイズを20dB程度に抑えている。また,マイクロプロセサに消費電力当たりの性能が高い1.66GHz動作のCore2 Duoを搭載することも,低消費電力化に寄与したという。

 2番目がユーザー・インタフェース。同社が独自に開発したオーディオ専用ソフト「Carry On Music」を,すべてリモコンで操作できるようにした。データ形式としてはWave,WMA(Windows Media Audio),MP3,AAC,ATRAC-3に対応。著作権保護技術はWindows Media DRMとOpenMGに対応している。オーディオ愛好家向けに,カセット・テープやLPレコードなどのアナログ音源の保存にも対応。波形データからタイトルを表示するMusic ID機能も備えている。

 最後が高音質なオーディオ再生機能。高級なアンプやスピーカと組み合わせられるサウンド・ボードを搭載している。同社のアンプ向けに開発したD-A変換技術である「VLSC(Vector Linear Shaping Circuitry)」も搭載して,ノイズ低減に寄与している。

 HDC-1.0に合わせて,オーディオ・アンプとアンプ内蔵スピーカも開発した。HDC-1.0を単体で発売するほか,それぞれと組み合わせたセットでも販売する。オーディオ・アンプとHDC-1.0のセットは2月3日に出荷を開始する。アンプ内蔵スピーカとのセット,およびHDC-1.0単体は3月上旬に発売する。価格はオープン。推定実売価格は単体で21万,アンプとのセットが27万,アンプ内蔵スピーカとのセットが26万程度。「先行発売するアンプとのセットは,オーディオ売り場で展開し,アンプ内蔵スピーカとのセットでパソコン売り場へ展開していく」(AVC事業本部 国内営業戦略部の大林忠信参事)という計画だ。