Solarflare社のLANカード。下がより対線の10GBASE-T準拠版。上は光ファイバ用10GビットEthernet向け。右は,10GBASE-CX4準拠のLANカード。
Solarflare社のLANカード。下がより対線の10GBASE-T準拠版。上は光ファイバ用10GビットEthernet向け。右は,10GBASE-CX4準拠のLANカード。
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10GBASE-T準拠のLANカードの拡大写真
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 米Solarflare Communications,Inc.は,米国サンタクララで開催中の展示会「DesignCon 2007」で,より対線版の10GビットEthernetの規格「IEEE802.3an-2006(通称10GBASE-T)」に対応しながら消費電力が2.2Wと低いMAC層LSIを開発し,2006年9月に発表した10GBASE-T準拠の物理層LSIと共にLANカードの形にしたリファレンス・デザインを出展した。LANカードの消費電力は16W。現在,OEMメーカーなどにサンプル出荷中で「量産は2007年第4四半期ころ。価格はLANカードが1枚400~500ドルになる見込み」(同社)という。

 同社は光ファイバを利用する10GビットEthernetのLAN向け規格「10GBASE-SR」準拠のLANカードのレファンレンス・デザインも開発して出展している。コスト差については「光ファイバ版が1枚1000ドル超なので,より対線版は光ファイバ版の1/2以下になる」(同社)という。

 従来,Ethernetはより対線ケーブルを利用する規格の製品が,光ファイバを利用する規格の製品を低コストで圧倒してきた。現時点でも1Gビット/秒Ethernetの光ファイバ版LANカードは1ポートが数百米ドルであるのに対し,より対線版は同100米ドル以下で10倍前後の価格差がある。

 10GBASE-Tでは,電気信号の処理が伝送技術の限界に近いため,光ファイバ版との価格差はあまりつかないのではないかという見方があった。初期の製品から光ファイバ版を下回る価格にできれば,その後の量産効果も手伝ってさらに価格が下がり,今回も「より対線版Ethernetは強い」という定説が成り立つ可能性がでてきた。