リコーが米IBM Corp.のプリンティング・システム事業部を買収する(ニュース・リリース)。リコーはIBM社に対し,資本金やIBM社が新会社に提供するサービスの対価として7億2500万米ドル(現在の為替レートで約880億円)を支払う予定。

 2004年にリコーは,IBM社と類似した事業を手掛ける日立製作所の子会社を買収している。今回の買収の狙いは,日立子会社の時と同じ。すなわち,米Xerox Corp.が得意とする企業の基幹システム向け市場の開拓である。ただし今回は,ソフトウエア/サービス事業の拡大を主眼とする。なおIBM社は,ソフトウエア/サービスに注力しており,プリンタなどのハードウェアをもっぱらOEM契約によって調達している。

 IBM社のプリンティング・システム事業は,リコーとの合弁会社「InfoPrint Solutions Company」へ2007年第2四半期に移管される。合弁会社の出資比率は当初リコーが51%,IBM社が49%。リコーは段階的に出資比率を引き上げ,3年後に100%子会社にする計画。合弁会社の年間売上高は約10億米ドル。従業員数は当初1200名,2008年に2200名ほど。2008年に従業員数が増えるのは,IBM社のメンテナンス要員を合弁会社に転籍させるためである。