三菱電機や東芝,ドイツSiemens AGらは2007年1月24日,欧州委員会からガス絶縁開閉装置(GIS)に関するカルテルについて,課徴金が賦課されたことを明らかにした。GISは発電所や変電所などで電流を遮断するのに使われる。欧州委員会は,同装置の欧州市場において欧州競争法違反行為があったとして,19社に課徴金を賦課した。

 3億9600万ユーロと最高額が賦課されたSiemens社は,GISに関するカルテルがあったことを認めた上で,価格カルテルは2002年10月~2004年4月に一部のプロジェクトでのみ結ばれたもので,課徴金はあまりに高額だと主張している。このカルテルを主導した従業員3人については,内部調査で不正が明らかになった直後に停職処分にしたという。なお,Siemensは,同じくカルテルに参加したとされるVA Technologies AGを2005年に買収しているため,VA Tech分の課徴金として2200万ユーロが賦課されている。同社は今後,法的措置を採る考えという。

国内メーカーも裁判で争う姿勢

 三菱電機や東芝,日立製作所など,国内メーカーにも高額の制裁金が課されている。三菱電機は,1988~2004年の欧州競争法違反を対象に,国内メーカーで今回最高額の1億1392万5000ユーロの課徴金支払いを命じられた。今後,欧州第一審裁判所への提訴を含め,対応を検討するとしている。8625万ユーロの支払いを課された東芝も,違反は行ってないとの内部調査結果に基づき,欧州裁判所において今回の決定を争っていくとする。三菱電機と東芝には,個別の課徴金に加えて,両社の連帯責任として465万ユーロの課徴金も賦課された。

 日立は,「GISの競争入札に関して欧州独占禁止法に違反したとして罰金が課された。当社はかつてGIS事業を行っていたが欧州では一切販売しておらず,独占禁止法に違反したという認識はない」とコメントを発表した。欧州第一審裁判所への提訴を含めて今後,対応を検討する。