JASVA会長の飯塚哲哉氏
 日本半導体ベンチャー協会(JASVA)は2007年1月23日,東京都内で新春会見を開き,今後の活動予定などを発表した。会長を務めるザインエレクトロニクス代表取締役社長の飯塚哲哉氏は会見で「日本は(ベンチャーにとって)つらい国」と繰り返し,現状への危機感を訴えた。

 飯塚氏は日本の半導体ベンチャーを取り巻く状況について,「少子高齢化は人口だけでなく企業においても進行している。日本は創業・廃業率が低い。対内投資も対中国投資や対米国投資に比べて1ケタ小さい。エンジェル税制の適用例はごくわずか。どこをとっても,日本はベンチャーに厳しい国と言わざるをえない」と話す。

 政府税制調査会の特別委員を務める同氏は,2007年1月19日に閣議決定した「平成19年度税制改正の要綱」(財務省のPDF資料)についても,「日本の半導体メーカーは主にアジアと競争しているのに,カリフォルニアの税制を参考にしようとしている。意味がない。安倍首相は『イノベーションの力とオープンな姿勢により,日本経済に新たな活力を取り入れる』と言うが,こんなことではイノベーションできない」と苛立ちをにじませた。

 JASVAの2007年の活動予定でこれまでと違うのは,2007年2月に,首都圏で初めて企業と学生のマッチング・イベントを開催すること。横浜市と連携し,横浜国立大学で2月20日に開催する。「就職戦線は今,売り手市場。これもベンチャーには厳しいところ。少しでも助けになれば」(同氏)。