デジタル家電の市場調査を手掛けるBCNは,大手家電量販店22社2300店舗の2006年末までの月次販売実績を発表した。これによれば,薄型テレビ市場は,シャープ,ソニー,松下電器産業の3社による寡占がますます進んでいる(下図)。シャープは32型未満の液晶テレビ市場でシェアを拡大,ソニーは逆に32型以上の液晶テレビ市場で売り上げを伸ばした。PDPテレビ市場では松下電器が前年からシェアを約9ポイント拡大している。


薄型テレビの市場シェア(BCN推計,左:2005年通期/右:2006年通期)

 市場全体の動向としては,液晶テレビ,PDPテレビともに年末商戦での売り上げは好調だった。2006年12月の液晶テレビの販売実績は,台数ベースで前年同期比37%増,金額ベースで同20%増となった。一方のPDPテレビは台数で75%,金額で28%の伸びとなっている。価格の下落が続いているため,台数と金額で成長率に差が出ているが,「思ったほどではなかった」とBCN取締役の田中繁廣氏は言う。

フルHD対応,約2割に

 同氏によれば,価格下落にある程度の歯止めをかけたのは大画面化とフルHD化。液晶テレビでは40型以上の売上構成比が台数ベースで前年同期から約4ポイント拡大して11.7%となり,金額ベースでは全体の約1/4を占めるまでになった。PDPテレビにおいても40型以上の台数構成比が約4ポイント拡大して57.8%に達している。

 フルHD対応機の薄型テレビにおける売上構成比は,2006年1月の4.6%に対して12月は18.5%にまで拡大した。12月に売れた液晶テレビの19.9%,PDPテレビの8.3%がフルHD対応機だったという。