KDDI(au)は,2007年春商戦に向けた新機種10モデルを発表した。ワンセグ対応が7機種,デジタル・ラジオ対応が3機種と,映像受信機能への対応を強化したほか,FeliCaにも8機種が対応した。2007年3月ころまでに順次発売する。
今回の発表で一際注目されたのが,「au design project」第6弾となる「MEDIA SKIN」である。京セラが開発した厚み13.1mmの薄型ケータイで,量産製品としては世界初となる26万色の2.4型のQVGA有機ELパネルを搭載した(Tech-On!の関連記事)。NTSC比は107%で,コントラスト比は1万対1である。ワンセグ・チューナを搭載しており,最大4時間の連続視聴が可能という。内部の消費電力を低減することで,重さを105gと従来のワンセグ対応機種に比較して軽量に仕立てた。
筐体デザインはデザイナーの吉岡徳仁氏が手がけた。筐体の表面に,化粧品のファウンデーションなどに利用されているシリコン粒子を配合した塗料を用いることで,さらっとした触感を目指している。「携帯電話はこれだけ人体に近い位置にあるのに,柔らかいデザインのものがないと感じていた。今回のコンセプトは,目を閉じても感じることができるような,もっと感覚的なデザインである」(吉岡氏)。なおMEDIA SKINのデザイン・コンセプトは,ニューヨーク近代美術館(MOMA)のコレクションに選定されている(発表資料)。
ワンセグ・ケータイでは,シャープのAQUOSケータイ「W51SH」がラインナップに加わったほか,3型ワイドVGA液晶と1Gバイトのメモリ,Bluetooth機能に対応した東芝製の「W52T」,5時間30分のワンセグ連続視聴時間を実現したカシオ計算機製の「W51CA」などがある。なおワンセグに関しては,「2006年11月末時点で,147万人がワンセグ・ケータイのユーザーとなっている」(KDDI)という。FeliCaにも,10機種中8機種が対応した。デジタル・ラジオ対応機種は,今回3機種が加わった。このほか日立製作所製の「W51H」では指紋センサを搭載した。ノート・パソコンのタッチ・パッドのような使い方にも対応しており,画面表示のスクロールにも利用できる。 音楽再生機能も強化する。ソニー製の高音質イヤホンを全機種に付属させるほか,LISMO Music Searchの楽曲検索機能において,「アーティスト検索」,「あいまい検索」,そして「歌詞検索」を追加した。FM送信機を搭載してカーステレオなどで視聴できる機種(W51SA)や,Bluetoothで楽曲を伝送できる機種(W52T)も用意している。