基調講演をする米Dell社のMichael Dell会長
基調講演をする米Dell社のMichael Dell会長
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開発した水冷システムは,ラジエターと電子冷却の2段階で筺体内の温度を下げる
開発した水冷システムは,ラジエターと電子冷却の2段階で筺体内の温度を下げる
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 米Dell Inc.のMichael Dell会長は2007年1月9日,2007 International CESで「Gear Up Innovation」と題した基調講演を行った。その中で同氏は,パソコンにおけるゲーム環境をGear Up(強化)する試みとして,同社としては初めて水冷システムを搭載したゲーム用のパソコン「Dell XPS 710 PREMIUM H2C」を発表した。

 4つのコアを持つマイクロプロセサ「Intel Core 2 Extreme Quad-Core」や,米Nvidia社のグラフィックス・カード「Dual SLI Graphics」,4GBの主記憶などを搭載する,高性能なパソコンである。

 同社が自社開発し,現在特許を申請中という水冷システム「H2C 2-stage Cooling Solution」は,マイクロプロセサの冷却用として使う。「筺体前面から取り込んだ空気をまずはラジエターで水冷し,その後ペルチェ素子による電子冷却を行う」(Dell社)。これによって,二つのコアを持つ「Intel Core2Duo」を搭載する下位モデル「Dell XPS 710」と比較して筺体内の温度を最大で9℃下げることができるという。「マイクロプロセサが温度上昇で誤動作するのを防げる」(Dell社)としている。

 ただし,水冷システムの寸法は,既にNECなど日本のメーカーが数年前から採用しているシステムに比べるとかなり大きい印象を受ける。