手前が「ジュニアケータイ」,後方が「Sweets cute」
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発表した3機種
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緊急時は経路通知ができる
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パソコン画面上で位置を確認できる
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端末で位置を確認する
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Sweets Cuteの画面例
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 KDDI(au)は,GPSの位置確認機能を利用した子供向け端末など,携帯電話の新機種を3種類発表した(発表資料)。子供向けの端末では,位置確認ができる「安心ナビ」サービスの機能を大幅に拡張したほか,デザインも全面的に切り替えた。子供の居場所や足取りを確認したい親のニーズに応えることを狙う。

1分間隔で移動経路を自動測位


 今回発表したのは,小学3~4年生をメイン・ターゲットにした「ジュニアケータイ A5525SA」と,小学5~6年生から中学生の女子などを対象とした「Sweets cute」。この2機種は三洋電機が開発し,端末のデザインにはインダストリアルデザイナーの柴田文江氏(デザインスタジオ エス 代表)が携わった。もう1機種は「でか文字」,「でかキー」など携帯電話の操作が苦手なユーザーに向けた「A5523T」(東芝製)である。

 ジュニアケータイとSweets cute では,auの従来の子供向け携帯電話機と同様に,GPS機能を使って現在位置を確認できる。端末に装備した防犯ブザーと連動して,緊急時の位置情報を保護者の端末に送信する機能を備える。今回は加えて,(1)自動位置確認,(2)移動経路通知,(3)緊急通知機能,(4)パソコン画面上で位置確認できる機能などを加えた。まず自動位置確認は,あらかじめ設定した時間にユーザーの位置情報を自動的に測位する。保護者は後で履歴を確認することで安全を確かめられる。

 移動経路通知は,もしもの場合に端末がどこを移動しているかを逐一報告する仕組みである。何らかの異常が発生した場合,端末の移動経路を1分間隔で自動測位し,5分ごとにメールで位置情報を送信する。移動経路通知機能が起動するのは,防犯ブザーが鳴った場合,電源がオフになった場合,そして保護者の端末が特定のメールを送信したときのみとなる。ここで電源オフの場合というのは,擬似電源オフと呼ぶもので,ディスプレイ表示やライトが消灯し,一見電源がオフになったような状態となる。移動経路通知機能は1回起動すると2時間で自動的に終了する。移動経路通知にかかる通信費用は「もしも2時間使った場合には,パケット割引などを併用しない場合でも,メール通信費とあわせて250円程度」(au)という。

 緊急通知機能は,「防犯ブザーの鳴動時」および「電源オフ時」に,自動的に写真撮影し,保護者に電話をかけるというもの。パソコンでの位置確認は,既存ユーザーからの要望が多く寄せられたことから対応することにしたもので,2007年4月上旬からサービス開始予定である。さらに「安心ナビ」のアプリケーションを統合したほか,位置確認できる検索相手を従来の3件から5件に拡大している。このほか,一定の料金に達すると利用制限がかかる「料金安心サービス」も機能拡充している(発表資料)。なおA5523Tでは,移動経路通知機能は無いが,自動位置確認機能やパソコンで位置確認などの「安心ナビ」サービスを同様に利用できる。

「北欧のおもちゃのイメージ」


 ジュニアケータイやSweets cuteに関しては,想定ユーザーの年齢層を意識しデザイン面を工夫している。ジュニアケータイのデザインのコンセプトは「北欧のおもちゃのような,丁寧に作られたイメージ」(柴田氏)という。「大らかな曲面で展開された,堅牢なフォルムを目指した。またカラーリングに関しては,何色であるかを子供たちが認識しやすい素直な色を用いるようにした。正しい子供らしさを表現した」(柴田氏)。Sweets cuteに関しては「ビスケットにクリームをディップしたようなイメージにした。背面の花柄スピーカーに代表される,Sweetsシリーズのもつほんわかした優しいデザインは踏襲している」(柴田氏)。今後さらに進化したデザインを志向していくという。