HPの試作機。最大4台のHDDを搭載できる。
HPの試作機。最大4台のHDDを搭載できる。
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 CES開幕前の基調講演で米Microsoft Corp.が明らかにした家庭用サーバー機に向けたOS「Windows Home Server」(Tech-On!関連記事)。基調講演では詳細を明らかにしなかったため,Microsoft社のブースで開発担当者に話を聞いてみた。

 Windows Home Serverの基になっているOSは「Windows 2003 Server」という。その上に,家庭のユーザーが使いやすくするための機能を追加している。例えば,自動バックアップ機能である。簡単な操作でバックアップの時間を設定できるユーザー・インタフェースを用意した。最大10台のパソコンについて,毎日定時にバックアップをとれる。WWWブラウザを使って外出先から自宅においたサーバー機にアクセスする機能を用意する。サーバー機にはユーザーが固有のドメイン名を与えられるようにするという。このほかに,サーバー機に組み込んだ複数のHDDのうち1台に不具合が生じた場合,そのHDDに格納してあるデータを自動的に他のHDDに退避した上で,故障したHDDを交換可能であることをユーザーに通知する機能や複数台のHDDにデータを分散して読み書きすることで高速化する「ストライピング」機能,家庭内ネットワークとインターネット間のファイアウオール機能なども有するという。なお,サーバー機で管理するパソコンはWindows VistaかWindows XPを搭載している必要がある。

 CESの会場には,Microsoft社の基調講演で紹介された米Hewlett-Packard Co.が2007年後半に発売予定の試作機が展示してある。外観は一般的なタワー型の筐体に近いが,実物はずっと小ぶりである。筐体の幅は13cm程度だった。マイクロプロセサは米Advanced Micro Devices, Inc.製。試作機が内蔵するマイクロプロセサの型番や動作周波数は明らかにしなかった。HDDの容量は300G~1Tバイト程度になる見通しである。価格は500~700米ドル程度を想定している。日本での発売は,現在のところ未定である。

 Serial ATAインタフェースを備えるHDDを4台組み込める。外部インタフェースとしては,前面にUSBポートを一つ,背面に三つのUSBポートとGビット Ethernetを備える。試作機の実演には,米Intel Corp.の技術者が熱心に見入っており,その後,説明員にマーケティングの担当者を紹介するよう依頼していた。

HDDの利用状況を表示したところ
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バックアップ処理の時間帯を設定
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背面には3個のUSBポートとGビットEthernetポートが
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