韓国Samsung Electronics社は2007年1月7日,2007 International CESの開幕に先立って行われた報道関係者向けの説明会で,2007年後半にもIEEE802.11n規格に準拠した無線LANチップセットを搭載したPDPテレビを発売する計画を明らかにした。

 同社はデジタル家電のネットワーク化を今後の機能強化の重要なポイントと位置づけており,無線LANへの対応もそのひとつ。様々な無線技術の搭載を検討しているが,その一環としてIEEE802.11nに対応したPDPテレビを発売することにした。
 これによってセットトップ・ボックスやBlu-ray DiscプレーヤーなどからHDTV画質の動画コンテンツを無線でPDPテレビに送信して表示することが可能になるという。

 「当社はIEEE802.11nのほかに,Wireless USBやWireless HDなど様々な新技術の採用を検討している。ただし,実用化という面では,転送速度とコスト面のバランスに優れるIEEE802.11nが現実解と考えた」(Samsung社)とする。

 ただし,IEEE802.11nに対応したPDPテレビが実際に2007年後半に発売されるかどうかについては,不透明な部分もある。現時点ではIEEE802.11n規格の標準化作業が完了していないうえに,著作権で保護された映画などを無線で転送するには,著作権を保有する映画会社などの許可を取る必要があるためだ。


<説明会では自社の薄型テレビ事業が好調であることを主張した>