テレビ放送の記録機器として,アメリカのユーザーはDVR(ハード・ディスク単体レコーダー)を好み,日本のユーザーはDVDレコーダーを好む---。これは,日米のエアチェックに対する温度差を反映した民族的な嗜好の違いであると,長い間,受け止められてきた。しかし「2007 International CES」の開幕の前々日(現地時間の1月6日)に開かれた,米国の家電業界団体Consumer Electronics Association(CEA)による業界展望報告を聞いたところ,意外にも,アメリカのユーザーもDVDレコーダーが好きになってきたという。

 2006年に最も伸びた家電製品(出荷額ベース)として液晶テレビ,ポータブル・ナビゲーションに次ぎ,DVDレコーダーは前年比132%増で3位に入り,さらにDVD/VHSレコーダーは同97%増で4位だった。ケーブル用セットトップ・ボックスを中心にしたDVRは,58%増で9位と一時の勢いはない。

 DVDレコーダーが伸びたのは,価格が約100米ドル低下し,VHSからの買い換えが進んでいる結果である。米国がVHSからの転換の真っ最中にあることは,DVD/VHSレコーダーにも人気が集まっていることからもよく分かる。この転換については,日本の約2年遅れで米国が後を追っている,ところになろう。

DVDレコーダーが,急激に伸びた製品の上位を占めた
DVDレコーダーが,急激に伸びた製品の上位を占めた
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