新型DRM技術「Marlin」(Tech-On!関連記事その1)向けの暗号鍵などの管理団体である米Marlin Trust Management Organization(MTMO)の運営が正式に始まった。Marlinは放送およびブロードバンド配信型のコンテンツ配信を対象にしたDRM技術で,米Marlin Developer Community(MDC)が仕様を策定している。MDCは米Intertrust Technologies Corp.や松下電器産業,オランダRoyal Philips Electronics社,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.,ソニーが2005年に設立した。既に国内の大手エレクトロニクス・メーカー5社などのテレビ向けのポータル・サービス「acTVila(アクトビラ)」(Tech-On!関連記事その2)はMarlinを採用する予定であることを公表している。

 MTMOはMarlin技術のセキュリティを確保するため,Marlin向けの暗号鍵の管理のほか,同技術の仕様書やトレードマーク,ロゴのライセンスも行う。同団体は,Marlin向け暗号鍵などの発行業務を「Provisioning Data Center」(PDC)と呼ぶ第三者にも委託する。従って,Marlinを導入する顧客はこうしたPDCからMarlin向けの暗号鍵など発行してもらう選択肢もある。現在のところ,Intertrust社がPDCとしてMTMOから指定を受けている。MDCによると,電話事業者やISP(internet service provider)などのサービス・プロバイダもPDCの役割を果たせる可能性もある。ちなみに,2006年5月にMTMOは2006年第3四半期に運営を開始する予定を発表したが,正式な運営開始が遅れた。