半導体デバイス製造技術の情報をトータルに報道していくテーマサイト「Silicon Online」で2006年に注目を浴びたのは,微細化のこれからを支える技術と,フラッシュ・メモリや太陽電池といった,いま急速に伸びているデバイスに関連する記事だった。

▼ 2006年「Silicon Online」記事ランキング

順位記事タイトル日付
1【NVSMW】まもなく開催,フラッシュ偏重は「延命への危機感の表れ」2月13日
2異種材料の薄膜接合技術を沖が量産化,プリンター最新機種に搭載9月7日
3好調シャープの利益率ナンバー・ワン事業は,やはり太陽電池4月27日
4「45nmの形はもう出来ている」,東芝がザイリンクスの記者会見で語る5月16日
5NAが1を超えるニコンの液浸露光装置,大手半導体メーカーが正式採用2月16日
6東芝の室町氏が半導体戦略を講演,「ファブライト・モデルは考えない」5月30日
7米IBM,任天堂のゲーム機「Wii」向けプロセサ・チップの出荷を開始9月8日
8「研究のレベルが違いすぎないか?」──春季応物講演会を聴講して3月27日
9「2008年度に1000億円に」,NECエレがパワーMOS FET事業で意気込む12月10日
10東芝がNAND型フラッシュの「Fab5」着工へ,2008年度下期までに生産能力を2倍に5月11日

(集計期間:2006年1月1日~12月21日)

 微細化の今後では,液浸露光装置の量産プロセスへの採用に向けた動きや,45nmに向けた具体的な動向などが話題になっていた。さらに2006年には半導体業界の世界的な再編劇がいくつか起こり,半導体業界のこれからを見据えたような記事も読者の興味を引いたようだ。

 技術の記事で特筆すべき人気を集めたのは,今回2位に入った沖電気工業の「EFB(Epi Film Bonding)」という技術についての記事である。例えば化合物半導体などのエピタキシャル成長層をはく離し,Siウエーハ上に張り付けることによってLSIと一体化できる。「これまでの概念を変える非常に面白い技術」(半導体に詳しい大学教授)など,高い評価がされており,沖電気が今後,どのように事業展開を進めていくのか,周囲が注目している。