NECは,同社製デスクトップ・パソコンの電源ユニットに不具合が見つかったとして,対象製品1万4600台の部品交換を無償で実施すると発表した(発表資料)

 部品交換の対象となるのは,2003年11月から販売している「VALUESTAR H」と「VALUESTAR GタイプH」の全数。VALUESTAR Hは,折りたたみ可能なキーボードを付属して,液晶テレビ機能をウリにした機種で,VALUESTAR GタイプHはVALUESTAR Hと同等性能でNECのWWWサイト直販の機種だ。NECでは,不具合部品の交換が完了するまで,この2機種の販売を見合わせる。

 不具合は,電源ユニットに使っている一部コイルが鉄芯部分の材質不良により高温になることがあり,その熱を受けた一部コンデンサが劣化していくというもの。こうした状態で使用を続けるとコンデンサが異常発熱し,発煙・発火に至る可能性があるという。NECではユーザーから発火事件の報告を2件,発煙や異常音,異臭の報告を30件,受けていた。

 ユーザーからNECに発煙や異臭などのクレームが初めて入ったのは2004年10月。最初の発火事故が発覚したのは2005年10月中旬のことだった。NECでは,2005年10月時点での検査では,不具合事象を再現することができなかったため,個別の機器の問題と判断し,当該製品の修理を行うにとどめていた。2006年11月中旬に2件目の発火事故が発生,再び検査したところ,コイルの不良が見つかったという。コイルは他社から調達しているものだが,NECではメーカー名を公表していない。