米QUALCOMM Inc.は,MIMO(multiple input multiple output)アンテナや無線LAN技術を手掛ける米Airgo Networks, Inc.と,米RF Micro Devices, Inc.のBluetooth関連資産の大部分を買収した(発表資料その1)。Airgo社の買収では,未公開の金額を現金で支払う。知的財産を含むRFMD社のBluetooth関連資産に関しては,3900万米ドルの現金で買収する(発表資料その2)。いずれも2006年12月末までに完了する予定である。

 Airgo社の前CEOでQUALCOMM社のWireless Connectivity担当Vice Presidentに就任するGreg Raleigh氏によると,Airgo社はQUALCOMM社で携帯電話機向けのチップセットを手掛けるQUALCOMM CDMA Technologies事業部の傘下に入る。「QUALCOMM社は,パソコンや携帯電話機関連の無線LAN技術の重要性を認識し,2006年5月にAirgo社と真剣に交渉を始めた」(Raleigh氏)。

 QUALCOMM社は,IEEE802.11a/b/g/n準拠のAirgo社の技術を携帯電話機向けチップセット「Mobile Station Modem(MSM)」や,2006年11月13日に発表した家電製品向けプラットフォーム製品「Snapdragon」(発表資料その3)に組み込む計画である。パソコンや周辺機器向けのAirgo社の既存製品も販売し続ける。Raleigh氏によれば,両社の合併により無線LANと携帯電話ネットワークを統合するパソコン向けの製品が近々登場する可能性がある。その次に,携帯電話機と無線LANを統合する技術を狙うという。さらに,「我々はMIMO技術の先駆けであり,Airgo社の技術や技術者,特許はQUALCOMM社の4G技術への移行に役に立つ」(同氏)とした。

 RFMD社との合意に基づき,QUALCOMM社はMSMチップセットにBluetooth Enhanced Data Rate技術を導入する計画という。