プローブ・カード大手の米FormFactor, Inc.は,同社の特許権を侵害しているとして,日本マイクロニクスと子会社の米MJC Electronics Corp.を提訴した。マイクロニクスのメモリ向けプローブ・カード「U-Probe」の製造技術が,FormFactor社の米国特許を侵害しているとして,2006年11月17日付で米国カリフォルニア州北部地区地方裁判所に提訴したもの。FormFactor社は,U-Probeの製造・販売・販売促進行為などの仮差し止めを求めている。U-Probeは米国市場での販売実績がないため,損害賠償は請求していない。

 FormFactor社が侵害されているとする保有特許は,米国特許番号「6,246,247」「6,509,751」「6,624,648」「7,073,254」の4件。タイトルはそれぞれ,「Probe Card Assembly And Kit, And Methods Of Using Same」「Planarizer For A Semiconductor Contactor」「Probe Card Assembly」「Method For Mounting A Plurality Of Spring Contact Elements」となっている。FormFactor社は今回の訴訟について,同社の知財戦略の一環であり,韓国Phicom Corp.を相手取って2004年に韓国で,2005年に米国で提起した訴訟に続くものと説明する。Phicom社との係争は現在も継続中だ。

 U-Probeは,日本市場と韓国市場の合計で約40億円の販売実績を持つ。今後,日韓以外の市場へも拡販を計画しており,米国市場においてはメーカーが評価を進めている矢先のことだった。マイクロニクスは,U-Probeに関してFormFactor社の特許への抵触はないとし,裁判を争う構え。この訴訟がマイクロニクスの業績に与える影響は軽微なものになるとみている。

《訂正》
記事掲載当初,「子会社の米MCJ Electronics Corp.を提訴した」としていましたが,正しくは「MJC Electronics Corp.」でした。お詫びして訂正いたします。記事本文は既に修正済みです。