ソニーは,2003年9月~2005年1月に発売したデジタル・カメラ8機種の無償修理を決めた(告知サイト)。これらの機種が搭載する同社製CCDに不具合が発生し,「ファインダーや液晶表示部に画像が出ない,撮影できない,画像が乱れる」といった症状が起こりうるためである。

 CCDの不具合の原因は,基本的に2005年秋に表面化した問題と同じで,CCDのパッケージに用いた接着材が含むヨウ素化合物が水分と反応し,ワイヤ接続部分を腐食するというもの(関連記事)。ただし,今回の発表された機種は昨年は修理の対象になっていなかった。ソニー広報センターによれば,昨年修理の対象にした製品はCCDに用いるパッケージがプラスチックだったのに対し,今回の機種はセラミックを使うものだったためという。

 昨年秋の時点では,セラミック・パッケージのCCDでは同様な不具合は確認されていなかった。ところが2006年春ごろから東南アジアなどでセラミック・パッケージ品でも問題が発生し始めた。これを受けて,今回の無償修理に踏み切った。「プラスチック・パッケージ品では,プラスチックを通して水分が内部に侵入し,腐食を引き起こしていた。セラミック・パッケージ品では,セラミックとカバー・ガラスの間の接着剤を通して水分が侵入するようだ」(ソニー 広報センター)。

 同社によれば,同様な品種は他のデジタル・カメラ・メーカーにも出荷されているという。今のところ他社からの修理の発表はないもようだが,セラミック・パッケージ品の出荷の規模によっては昨年と同様な事態に発展する可能性はある。