取締役社長の苅谷道郎氏
 ニコンの2006年度中間期決算(2006年4月~9月)は,売上高が前年同期比10.0%増の3772億8500万円,営業利益が同55.1%増の440億2900万円と2ケタの増収増益となった。期初の予想からも大きく上ぶれて,売上高,営業利益,経常利益,純利益の全てで過去最高を更新している。同社の主力事業である映像事業と精機事業がいずれも好調だった。

 映像事業は前年同期に対して9%の増収,35%の増益となった。一眼レフ・デジタル・カメラの販売台数が予想を上回る86万台(前年同期比8.9%増)となったことや,交換レンズの売り上げ構成比において高価格帯品の割合が拡大したことで,利益率が向上した。一方,コンパクト機は前年同期より1万台少ない340万台にとどまった。下期も一眼レフ機が伸長し,コンパクト機は縮小する見込みで,予想販売台数は一眼レフ機が114万台(前年同期比26.7%増),コンパクト機が310万台(同13.9%減)だ。

 精機事業も17%の増収,88%の増益と好調だった。生産におけるコスト削減が進んだことや,下期に販売を見込んでいたものが一部,上期に前倒しされたこと,為替の影響などで予想を上回る利益を上げた。液晶パネル製造向けステッパは,販売台数が前年同期の37台から46台に増えたことに加えて,第7~8世代向け機種の売り上げ比率が増して,収益を押し上げた。半導体製造向けステッパは,販売台数の合計は前年同期より2台少ない77台にとどまった。新製品の液浸ArF露光装置は2台の販売実績を残しており,通期(2006年4月~2007年3月)では9台の販売を見込む。


ニコンの決算説明会資料より

 通期の業績予想は,売上高が7970億円(前年度比9.0%増),営業利益が870億円(同30.6%増)。売上高,営業利益,経常利益,純利益で2年続けて過去最高となる見通しだ。

■国内企業の最新の決算はこちらからご覧いただけます。