「中期経営計画の初年度,上々の滑り出しだが気はゆるめずにいく」と菊川社長
 オリンパスの2006年度中間期(2006年4月~9月)は,売上高,営業利益,経常利益,純利益の全てで過去最高を叩き出した。売上高は前年同期比1.8%増の4846億8100万円,営業利益は同153.2%増の421億3300万円である。決算説明会に登壇した取締役社長の菊川剛氏は,「映像関係ががんばりました」と上期を総括した。

 映像事業の売上高は前年同期比13.8%増の1321億1100万円,営業損益は前年同期の67億円超の赤字から大きく改善して144億7800万円の黒字となった。デジタル・カメラの販売台数は国内で前年同期から20%を超える伸びを示し,全世界合計で400万台。市場シェアは前年同期の12.0%に対して10.2%と縮小しているものの,利益率を向上させたことで好決算の牽引役となった。

 同社のデジタル・カメラの製品系列はこれまで低価格帯の機種が中心だったが,上期は防水性や耐衝撃性といった分かりやすいコンセプトを打ち出した中・高価格帯の機種の拡販に努めた。この結果,平均販売単価は前年同期比で8%上昇したという。コンパクト機の機構部品の約3/4を共通化するなど,開発費や調達コストの削減を進めたことも利益拡大につながった。ただし,下期の映像事業は増収ながら減益となる見込み。一眼レフ機の開発投資増や,クリスマス商戦での価格競争が減益要因になるという。

通期売り上げは初の大台へ

 「下期に業績を支えるのは医療事業」と菊川社長は説明する。上期は10%を超える増収増益だった同事業は下期も約13%の増収増益になる見通しだ。海外で消化器系の内視鏡が好調に推移しており,2006年6月に投入した新製品も下期から本格的に業績に寄与する見込みという。

 好調な中間決算を受けて,同社は通期(2006年4月~2007年3月)の業績予想を上方修正した。前回予想では1兆350億円としていた連結売上高は1兆400億円(前年度比6.3%増)へ,730億円としていた営業利益は900億円(同43.9%増)へ,それぞれ引き上げた。この予想に沿えば,通期も売上高,営業利益,経常利益,当期純利益の全てで過去最高を更新する。

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