SES GLOBAL S.A.とEutelsat Communications社は,携帯機器や車載機器によるによる受信を想定した衛星マルチメディア放送に向けて共同出資会社を設立する(発表資料)。出資比率は50対50で,Sバンド(2.0および2.2GHz)の運用と商用化を担う合弁会社に設立することに同意した。両社は,欧州を代表する通信/放送衛星の運営会社であり,衛星による移動体向けマルチメディア放送の実用化は,欧州では初めての動きである。

 合弁会社は,ルクセンブルグSES ASTRA社と仏Eutelsat S.A.によって設立される。Sバンドへの投資金額は,約1億3000万ユーロ。Sバンドは移動体衛星放送に向けた周波数帯域である。Sバンドは両社にとって新たな領域となる。地上波におけるサービスを通して立ち上がってきた移動体による動画受信は,まだ開発の余地はあるが,欧州では大きな市場となっている。この分野で衛星通信によるサービスを開発し,地上波の代替,あるいは補完するソリューションを提供する考え。まず,仏Alcatel Alenia Space社によって提供されるEutelsat社の衛星「W2A」を,2009年初めに打ち上げる予定。東経10度で稼働させる。