NTTドコモは2006年10月27日,2007年3月期(2006年4月~2007年3月)の中間決算を発表した。それによると,2007年3月中間期の売上高は2兆3834億円で前年同期に比べて99億円増,営業利益は5169億円で前年同期比415億円減となり,「増収減益」となった。

 「総じてみると,期初の予想通り推移した」というのが同社の見解のようだ。例えば,2006年9月末における第3世代移動体通信サービス「FOMA」の加入者比率が55.8%まで高まっており,「2007年3月期に全契約の2/3がFOMA」とする同社の目的に対して「予想通り」(NTTドコモ 代表取締役社長の中村維夫氏)とする。さらに,営業利益の半年経過時の進捗率が63.8%で,最新の解約率が0.60%まで低下するなど,競争の激化があるものの「堅調」(NTTドコモの中村氏)であることを強調した。

 2007年度末に向けて修正したのが営業収益である。330億円の端末販売数の減少などにより当初予想を390億円下方修正した。さらに,現行FOMAの基地局を増設する費用として110億円を上乗せする。中村氏は言及しなかったが,基地局増設は携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)の影響と見られる。

 10月24日に導入されたMNPの影響については「まだ最初の週末を経過していない」(中村氏)と慎重な姿勢を見せたが,「下馬評どおりKDDIが好調」「思ったよりも動きが少ない」という見解を示した。

 競争が激しくなるなかで,コスト削減に向けた取り組みとして紹介したのが,携帯電話機向けLSIである。中村氏によると,NTTドコモの投資によって開発された,通信機能とアプリケーション処理機能を集積した1チップLSIが最新機種の「903iシリーズ」の一部機種に搭載されているという。同社としてはこうしたプラットフォームの共通化を一層進めることで,さらなる端末調達コストの低減を図るとした。

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