パイオニアは,高速電力線通信(PLC)を利用して音楽を家庭内に送信するシステムを開発し,2006年9月24日まで開催中の「A&Vフェスタ 2006」に出展した。本体部とスピーカー部から成り,本体部に入力した音楽データを離れた場所にあるスピーカー部に送信して再生させる。リビング・ルームなど各部屋やトイレ,玄関など,家庭内でAC電源を備えた場所にスピーカー部を設置すれば,それぞれの部屋で共通の音楽を視聴できる。今回は参考出展であり,製品化は「PLC利用に関連する法改正があるまでは未定」(同社の説明員)という。なお,総務省は2006年9月13日に,電波管理審議会からPLC利用に関する無線設備規制の改正案は適当という答申を受けているが,実施には至っていない。

 展示したシステムの構成は,本体部とモノラル・スピーカー部,ステレオ・スピーカー部,そして米Apple Computer, Inc.の携帯型音楽プレーヤー「iPod」の音楽データを本体部に送り込む「iPod用コントロールドック」である。モノラル・スピーカーは人感センサを内蔵しており,人を検知したときにのみ音楽が出る。ステレオ・スピーカー部は人感センサを備えていないが,リモコンを使って音量調整ができる。

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