「PC7」
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「PC80」
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「PC100」
「PC100」
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 キヤノンは,1987年から1997年にかけて製造・販売した個人向け小型複写機「PC7/PC80/PC100」について,発火・発煙の恐れがあるとして点検や部品交換を無償で行う(ニュース・リリース)。製造時または修理時に定着器ヒーターの配線接続で作業不良があった場合,長時間使い続けるとまれに発火・発煙する可能性があるという。対象機種は約14万台である。

コネクタの挿し間違えが発火を招く

 発火・発煙の恐れがあるのは,定着器ヒーターと本体を接続するコネクタである。このコネクタは,挿し側は平板端子,受け側はビニール素材で巻いた金属スリットから成る。この二つの端子を接続する際,平板端子を金属スリット内に差し込まず,誤って金属スリットとビニール素材の間に差し込むことがあったという。

 この状態で長時間使用し続けると,金属板の表面に亜酸化銅が形成され,接続不良になる。この状態でコネクタに電流を流すと,アーク放電が発生するなどして,ビニール素材などに引火する可能性があるという。

92年,94年にも同様の事例あり

 キヤノンがこの不具合を発見したきっかけは,2006年7月28日に発生した発火事故である。同社が原因を調査した結果,上記のような発火メカニズムが判明した。さらに同社が過去の事故例を調べた結果,同一形状のコネクタを持つ機器で,1992年と1994年にも端子部が焼損するなどの発火事故を起こしていたことが分かった。以上の結果を踏まえてキヤノンは,同一形状のコネクタを持つ三つの機種について,点検・部品交換の告知を決定した。