ネットワーク管理など向けのソフトウエア,ミドルウエア開発を手掛けるデジタルデザインは2006年8月22日,日本アイ・ビー・エム(以下,日本IBM)を債務者とする総額11億8900万円の債権の回収が困難になっていることを明らかにした。

 デジタルデザインによれば,2006年3月~4月に日本IBMの事業部長から受注した6案件について,支払期日を過ぎても同社から支払いがなかったという。日本IBMが厚生労働省や国保連合会に納入するハードウエアをデジタルデザインに発注,デジタルデザインはネットマークスから当該ハードウエアを仕入れて日本IBMに納品したが,代金が支払われなかったという経緯だ。

 デジタルデザインの問い合わせに対して日本IBMは書面で「法的根拠がないと思料しており,この件に依拠して第三者に対するいかなる支払いもしないように」との回答を示している。書面での公式回答は以上だが,口頭では「事業部長が当社と関係なく発注した案件で,当社は関知していない」と説明しているという。

 デジタルデザインは既に仕入先のネットマークスに対して3案件分の11億8900万円を支払っている。残る3案件分については支払いを中止し,現在はこの全6案件について関係各社で取引内容を調査中という。

 デジタルデザインでは法的措置を含めた今後の対応を検討しており,「全額回収に全力をあげる所存」としている。日本IBM広報はこの件について,「現在,関係する企業と交渉中であり,コメントはできない」としている。