矢野経済研究所は,ワンセグ放送の受信機能を備える携帯電話機(ワンセグ携帯)に関する調査を実施した。ユーザーがワンセグ携帯で視聴する番組は,ニュースやスポーツなどリアルタイム性を要求するものが中心であることが分かった。合わせて実施した購入意向調査などの結果から,ワンセグ携帯の普及台数が2010年に日本国民の3割弱に当たる3480万台になると予測した。

 視聴番組は,通常のテレビとワンセグ携帯でよく見る番組をそれぞれ聞いた。その結果,ニュースや天気予報,サッカー,野球などでテレビとワンセグ携帯の差が少なくなった。これとは逆に映画やドラマなど,DVDレコーダーなどで録画することが多い番組は,テレビに比べてワンセグ携帯での視聴が少ない結果となった。矢野経済研究所では,ワンセグ携帯がDVDレコーダーを補完するメディアになると分析している。

 購入意向調査では,既に所有している人が1.5%で,年内に購入を希望する人が13.9%,来年以降に購入が11.6%,決めていないが52.8%,購入しないが20.1%だった。所有者と購入意向者の多くは会社員で,非購入意向者は主婦が多かったという。この結果から,2005年に6万4000台だった普及台数が,2006年には294万台,2007年に787万台,北京オリンピックが開かれる2008年には1835万台,2010年に3480万台になると予測した。

 調査は,2006年6月6~20日の間に東京都と千葉県,埼玉県,神奈川県に居住する16歳以上の人を対象に実施した。事前調査で2万9645人にワンセグ携帯の所有状況などを調査した後,無作為に所有者と購入意向者,非購入意向者を各300人抽出して本調査を実施した。