米Eastman Kodak Companyは,デジタル・カメラ事業の大部分を米Flextronics International Ltd.に移管する。デジタル・カメラ製造の全工程と流通部分に加えて,設計・開発機能の一部を移管することで合意に至った。Kodakでは今後も知的財産権を維持し,製品の意匠部分やハイエンド機の開発などを手掛けていく。

 契約締結は2006年7月~9月期中を予定している。この契約に伴って,コダック デジタル プロダクト センター(本社:長野県茅野市)のカメラ設計部門とその従業員,中国Kodak Electronics Products, Shanghai Co. Ltd.の関連施設と従業員がFlextronics社に買収・統合される。今回の契約でKodakグループの従業員のうち約550人がFlextronics社に移籍する予定だ。

 なお,Kodak社はこの発表と同日,2006年4月~6月期の業績を発表した。売上高は対前年同期比9%減の33億6000万米ドル,営業損失は前年同期から拡大して1億6700万米ドル。この赤字のおよそ1/2をConsumer Digital Imaging Groupで計上している。Kodak社のVice President兼General Manager, Digital Capture & Devices, Consumer Digital Imaging GroupのJohn Blake, Jr.氏は,「今回の提携は,民生用デジタル機器事業における利益率の向上を目指した戦略の一環で,デジタル・カメラ事業に合理化をもたらすはず」とコメントしている。

 一方,Flextronics社のPresident of Consumer Digital market segmentであるGreg Westbrook氏は,「今回の発表により,当社が提供する垂直型統合サービスの価値が実証されたことをうれしく思う。日本の設計部門を買収することで獲得できる専門知識など,この提携で当社が得るものは大きい」と語った。Flextronix社の2006年4月~6月期決算は,売上高が対前年同期比6%増の40億5900万米ドル,営業利益は同33%増の1億1700万米ドルと好調に推移している。