【図1】飛行状況の動画表示画面。
【図1】飛行状況の動画表示画面。
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【図2】航跡図の表示画面。
【図2】航跡図の表示画面。
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 国土交通省は2006年8月1日,東京国際空港(羽田空港)に離着陸する航空機の飛行コースおよび,周辺の騒音値をインターネット経由で公開するホームページ「飛行コース公開システム」を開設し,運用を開始した。羽田空港周辺の飛行状況や騒音の発生状況などについての理解を広めることが目的。アクセスする日の31日前(当初は2006年7月24日)から前日までのデータを公開する。

 飛行コース公開システムには「飛行状況の動画」と「航跡図」という2種類の画面がある。いずれも,対象地域は東京都,神奈川県,千葉県,埼玉県,茨城県で,画面表示する地図の範囲は3段階で切り替えられる。地図の表示位置を地名から検索する機能も用意した。

 飛行状況の動画表示(図1)では,航空機の情報(位置と高度)を1分間隔で更新する。右上の条件設定画面で見たい日付と時刻を設定し,右下のプレイボタンを押すと動画の表示を開始。実時間での表示のほか,5倍速または10倍速を選択することもできる。

 小さな飛行機のアイコンで位置を表示し,離陸機は赤色,着陸機は青色で示す。飛行機に付属した吹き出しには,上段に機種名,下段に飛行高度が表示される。到着機に関しては約1830m(6000フィート)以下,離陸機に関しては約3050m(1万フィート)以下となった段階で表示する。サブウインドウでは,羽田空港の滑走路の使用状況を表示し,航空機がどの滑走路からどの方向に離着陸したのかが分かる。

 また,国の設置している8カ所の騒音監視塔で観測した騒音値も地図上に表示できる。航空機または騒音の情報を表示するかどうか,高度表示の単位,離陸機と着陸機のどれを表示するのか――といった設定は右側中央の画面で指定できる。この画面では,風向きや風速,気温といった気象状況も表示する。

 一方の航跡図(図2)は,航空機の飛行コースを曲線で表示したもの。開始日時と,表示する航路の時間(30分間もしくは60分間)を選択肢,画面右下の表示ボタンを押すと,飛行コースが表示される。離陸機が赤色の線,着陸機が青色の線となる。

 飛行コース公開システムの利用に当たっては,メールアドレスなどを入力するユーザー登録が必要だ。なお,表示する飛行コースは航空管制用レーダの情報から作製しているが,1分ごとのデータをコンピュータ処理して作成しているため,実際の飛行経路とは異なる場合がある。また,騒音値については,自動車などの環境騒音も含まれている。