携帯機器向け入力インタフェース技術の開発を手掛ける米FIO Technology Inc.(ホームページ)は,既存の携帯電話機の入力ボタンを活用しながら,パソコンなどで使われているQWERTY型に相当する配列で文字を割り当てる手法を提案した。1個のボタンに複数の文字を割り当てる物理的な機構と,ユーザーの入力操作を判断するソフトウエアで構成する。「北米市場でQWERTY型の簡易キーボードを備えた携帯電話機「Blackberry」が人気を博しているが,こうした手法に比べて部品点数を削減できる。低価格化や筐体の小型化につながる」(FIO Technology社 CEOのYoshimoto Itsuro氏)とみる。
1個のボタンに複数の文字を割り当てる物理的な機構は,プリント配線基板とボタンの接点を2個~4個程度設けて実現する。複数個の接点を同時に押された場合にそれがどの文字に相当するかは,ソフトウエア処理によって判断する。少ないボタンに多数の文字を割り当てられることから,文字入力機能が求められるようになったインターネット接続機能を備えるテレビの操作リモコンなどへの適用も視野に入れる。
FIO Technology社は提案手法を「FIO-KeyBO」と呼び,ソフトウエアのライセンスなどによる事業展開を図る方針である。