NECの2006年度第1四半期の決算概要
NECの2006年度第1四半期の決算概要
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 NECは2006年7月27日,2006年度第1四半期(4月~6月)の決算を発表した。携帯電話機,パソコンなど「モバイル/パーソナルソリューション事業」や半導体,電子部品などの「エレクトロンデバイス事業」の営業損益は赤字と不振だったが,ネットワーク・システム,ITサービスなどから成る「IT/ネットワーク・ソリューション事業」が好調に推移したため,全体では黒字に転換した。2006年度第1四半期の売上高は対前年度同期比2.6%増の1兆184億円,営業利益は同246%増の147億円となった。2006年度上期(4月~9月)の業績については,売上高が同1.7%増の2兆2500億円,営業利益は同20%増の250億円を見込む。

 事業分野別に見ると,IT/ネットワーク・ソリューション事業の売上高は対前年度同期比7%増の5569億円,営業損益は同200%増の276億円の黒字だった。通信事業者のネットワークへの投資が前倒しされたことなどが好業績につながったという。

 一方,モバイル/パーソナルソリューション事業の売上高は同15%減の2383億円で,営業損益は同144%減の101億円の赤字と大幅に落ち込んだ。携帯電話機事業は国内販売の競争激化で出荷が対前年度同期比で2割減ったほか,海外向けは採算重視で出荷を絞り込んだため同50%減となった。2006年度第1四半期の出荷台数は対前年度同期比30%減の170万台となり,80億円の損失を計上した。

 パソコン事業も,「ビジネス向けパソコンは買い替え需要の端境期にあって伸び悩み,個人向けパソコンもドイツW杯の影響で需要がデジタル家電にシフトしたことで不振だった」(執行役員専務の的井保夫氏)。パソコン販売を柱とするパーソナルソリューション事業の売上高は,同5%減となり20億円の損失を出した。

 エレクトロンデバイス事業は液晶ディスプレイ用駆動ICや汎用マイコンの売上げが増加し,回復基調にある。売上高は対前年度同期比12%増の2040億円となったが,営業損益は同73%増の24億円の赤字。黒字転換は果たせなかった。ただし,2006年度第2四半期(7月~9月)は売上高2260億円で4億円の営業利益を見込んでいる。

 なお,同社が期初に掲げた2006年度通期の営業利益目標である1300億円については,「達成に向けて順調に推移している」(的井氏)とした。

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