2006年第1四半期の決算を発表する取締役社長の深谷紘一氏(中央)。売上高・営業利益とも2ケタ増で同期としては過去最高。
2006年第1四半期の決算を発表する取締役社長の深谷紘一氏(中央)。売上高・営業利益とも2ケタ増で同期としては過去最高。
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 デンソーの2006年第1四半期(4~6月)決算は,売上高,営業利益とも前年同期に比べ10%以上増え,第1四半期としては過去最高となった。売上高は対前年同期比13.6%増の8562億円,営業利益は同16.0%増の825億円で,営業利益率は9.6%に達した。トヨタグループ向けの売り上げが国内外とも好調で421億円増と大幅に伸びたほか,米General Motors社向けの売り上げも143億円増えている。

 経常利益は対前年同期比で17.1%増の902億円。銅やアルミニウムなどの材料費の高騰や設備償却費の増大などマイナス要因はあったものの,米国で日本車の販売が好調なほか,中国やタイでの販売増が増益に寄与。合理化努力,為替差益などもあって2ケタ増となった。

 地域別に見ると,売上高は日本,北中南米,欧州,豪亜のいずれも対前年同期比10%前後の増。日本は輸出向けが好調で同11.6%増の5972億円となったほか,北中南米は18.9%増(為替差益を除くと10.1%増)の1923億円,欧州は同19.4%の1250億円となった。なお2006年度の通期決算予想は変更しない。

2010年には売上高4兆円目指す

 また,2010年までの長期予想についても発表した。同社が2004年4月に長期計画として発表した「DENSO VISON 2015」に基づいたもの。2010年の売上高目標は4兆円以上。商品開発では高機能化と低コスト化という2極化する市場への対応を強化するとともに,世界初・世界一をキーワードに環境,安全,快適,利便の四つの視点から製品を開発する。具体的には,ドライバーの状態をカメラや心電センサで検知し,その情報を基にシートやエアコンを駆動する「ドライバアシスタントシステム」や,車々間および路車間での情報通信,GPS,交通管制センターからの情報活用などを含む「インフラ協調安全システム」などの実現を目指す。

 グループ全体での開発・設計体制も大幅に強化する計画。2004年時点で2700人の国内の技術者数を2010年には1万4500人とするほか,欧州,北米,豪亜における技術者数も800人体制を目指す。さらに,アジア・中国地域にテクニカルセンターを設立するという。

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