セイコーエプソンは2006年4月~6月期決算を発表した。売上高は3220億3600万円で対前年同期比5.3%減とマイナスだが,営業利益は70億1300万円で,前年同期の50億4100万円の営業損失から大幅に改善させた。

 情報関連機器事業では,プリンタ事業でインクジェット・プリンタの商品構成の見直しと出荷数量の絞り込んで減収となったものの,ビジネス向け低価格液晶プロジェクタが伸びて増収となり,事業全体では対前年同期比5.3%減の2007億2900万円となった。営業利益は141億2200万円で231.7%増と大幅に改善した。

 電子デバイス事業は,ディスプレイ事業は携帯電話機向けなどの大幅な価格により減収,半導体事業も減収となり,事業全体で前年同期比6.8%減の1091億9400万円の減収となった。

 7月~9月期も引き続き収益性重視とし,コスト削減と地域ごとの機種絞り込み,新規アプリケーションの開拓などを行うとした。ビジネス向けA3カラー・レーザー・プリンタや,非携帯電話機向け液晶ディスプレイなど,価格を維持できる製品分野で収益改善を図るとする。

野洲セミコンの事業譲渡の検討を開始


 こうした中,半導体事業において効率化を進めるために,2001年6月に米IBM Corp.と合弁で設立した野洲セミコンダクター(Tech-On!関連記事1)について,事業譲渡および協業を含む提携を他社と検討していることを明らかにした。当事者間でLOI(letter of intent)の締結が行われたとする。

 同社は現在,携帯電話機向けのドライバICやフラッシュ・メモリーなどの生産を行っているが,セイコーエプソンの富士見事業所と酒田事業所の3拠点体制を見直して集約し,収益性の改善を図る。2006年7月にセイコーエプソンの100%子会社になったことを機に(Tech-On!関連記事2),事業譲渡を含む検討を進めたとする。

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