韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.の2006年第2四半期(4月~6月)決算は,増収ながら減益だった。売上高は対前年同期比4%増の14兆1100億ウォン(1ウォン=約0.12円),営業利益は同14%減の1兆4200億ウォンだ。通信部門や半導体部門で利益が落ち込んでいる。

第3四半期の液晶パネル出荷計画
 他部門が低迷する中で,液晶パネル部門は好調を維持している。同部門の売上高は対前年同期比34%増の2兆8500億ウォン,営業利益は前年実績の約6倍の700億ウォンである。ノート・パソコン向け需要が停滞したが,テレビ向け需要が引き続き好調に推移した。特に40型以上のパネル出荷量は直前四半期から87%も伸長している。ただし,平均単価は40型液晶テレビ用のパネルで直前四半期から10%低下。19型モニタでは同18%,15.4型のノート・パソコン向けでは同21%,下落した。

 Samsung社は,第3四半期(7月~9月)に,テレビ用,モニタ用,ノート・パソコン用のすべてで出荷増を計画している。基板寸法1870mm×2200mmのいわゆる第7世代ラインで生産能力を増強し,第2四半期に対して11%増の出荷を見込む。単価については,下期に大きな下落はないと同社はみている。季節傾向として需要が高まる時期であること,在庫レベルが抑制されていることを理由に挙げる。

液晶以外は振るわず

直前四半期に比べると減少した携帯電話機の出荷台数(単位=百万台)
 半導体部門は売上高が対前年同期比6%増の4兆4200億ウォン,営業利益は同11%減の9800億ウォンだった。メモリ,システムLSIともに売り上げは前年実績を上回っているが,300mmウエハー対応の新ファブ立ち上げに伴うコスト増や,NAND型フラッシュ・メモリの平均単価が直前四半期から12%低下したことなどで利益率が下がった。

 通信部門は,売上高が対前年同期比4%減の4兆2800億ウォン,営業利益は同24%減の4100億ウォンだった。携帯電話機の出荷台数は同7%増の2630万台。同業他社に比べると増加率が小さいが,これは海外向け新機種の投入がほとんど第2四半期の半ばだったためという。このため,海外向けでは平均単価も直前四半期から3%程度,低下している。

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