記者会見後に握手を交わすSUMCO 取締役社長の重松健二郎氏(左),コマツ 代表取締役社長の坂根正弘氏(右)
記者会見後に握手を交わすSUMCO 取締役社長の重松健二郎氏(左),コマツ 代表取締役社長の坂根正弘氏(右)
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 Siウエハー・メーカーのSUMCOは,コマツ電子金属をコマツから買収する。SUMCOはコマツ電子金属の発行済み株式総数の51%を取得するために公開買い付けを実施し,コマツ電子金属がこれに応募することに関して両者が基本合意に達した。Siウエハーの世界シェアはSUMCOが22%程度,コマツ電子金属が9%程度であり,両者を合わせると最大手の信越半導体にほぼ並ぶ。

 コマツ電子金属の大株主であるコマツは,建設・鉱山機械や産業機械などの「産業機械分野」に経営資源を集中する方針を打ち出していた。コマツ電子金属への積極的な投資が難しい状況の中で,今後は300mmウエハーの製造設備への投資が拡大することが予想されていた。「このままでは300mmウエハーで他社に遅れをとる。300mmの投資を考えてSUMCOの提案を受け入れた」(コマツ 代表取締役社長の坂根正弘氏)という。現在,300mmウエハーのシェアは,SUMCOが30%以上なのに対して,コマツ電子金属は5%程度だった。

 記者会見では,コマツ電子金属の普通株式一株につき2400円という公開買い付け価格が,現在の株価よりも安い点について説明を求める質問が相次いだ。これに対して両社は,第三者に企業価値を判断してもらって決めた,半年前に交渉を開始した時点では2400円よりも低かった,などと回答した。