三菱化学は,機器の筐体などに使われるABS樹脂の原料であるスチレンモノマーの値上げを決めた。2006年7月1日の国内向け出荷分から20円/kg値上げする。原油やナフサの価格高騰の影響を受けて原料となるエチレンとベンゼンのコストが上昇しており,さらにアジア市場の需要が堅調で需給の逼迫状態が続いていた。スチレンモノマーの海外市況は,1200米ドル/トンを超える水準で推移しているという。

 このほかに同社は,タイヤやインクなどに使われるカーボンブラックを,2006年6月21日納入分からゴム用で12円/kg,非ゴム用で12~24円/kg値上げする。カーボンブラックとスチレンブタジエンゴムの複合材料でタイヤに使われるウェットマスターバッチ(WMB)も同じく6月21日納入分から値上げする。WMBの価格は各成分の含有量によって異なる。