松下電器産業は,しきい値電流を下げながら,最大出力を実用に耐えうる2mWを確保した面発光レーザ(VCSEL)を開発した(発表資料)。金属表面での電子の疎密波である表面プラズモンが光と共鳴する「表面プラズモン共鳴(SPR:surface plasmon resonance)」と呼ぶ現象を利用している。しきい値電流とは,レーザ発振を始める駆動電流値で,低減できれば消費電力の削減につながる可能性がある。今回のしきい値電流は0.5mAと,しきい値電流が数mAの他社製品のVCSELよりも低く,同社が1年前に発表したVCSELに比べても1/2と低い。発光波長は850nmである。動作可能な変調速度は明らかにしてはいないものの,1~10Gビット/秒といった速度を狙っている。携帯電話機などの筐体内光配線やHDコンテンツを空間光伝送するといった,近距離光通信の用途を想定する。
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