NECエレクトロニクス代表取締役社長の中島俊雄氏
NECエレクトロニクス代表取締役社長の中島俊雄氏
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 NECエレクトロニクスは,2006年3月期(2005年4月~2006年3月)の決算発表において,2007年3月期(2006年4月~2007年3月)の業績予想と,今後の業績改善に向けた基本方針を示した。

 2007年3月期は,売上高が対前年度比9.1%増の7050億円,半導体売上高が同9.8%増の6800億円,営業損益が50億円の黒字を見込む。「受注が好調なので,半導体売上高の10%増は十分達成できる」(NECエレクトロニクス代表取締役社長の中島俊雄氏)と言う。営業損益に関しては,上期は50億円の赤字になるが,通期では黒字転換が図れるという。ただし,当期純損益に関しては50億円の赤字となる(関連記事)。

 今後の半導体売上高のけん引役としては,デジタルAV機器向けSoC「EMMA」,任天堂の次世代ゲーム機向けDRAM混載SoC,汎用マイコンの三つを挙げた。好調な受注に対応するため,2007年3月期の設備投資は対前年度比20.5%増の約1000億円を予定する。山形の300mmラインを現状の6000枚/月から上期中に1万1000枚/月に増強するほか,後工程拠点にも約400億円を投じる。

 業績改善に向けた基本方針としては,(1)受注・売上高の拡大,(2)原価低減の推進,(3)開発効率の向上の三つを挙げた。(1)に関しては,半導体商社との協業強化や中国での販売体制強化などによって受注・売上は拡大傾向にあり,これを今後も維持していく。(2)に関しては,300mm工場の生産規模拡大など,量を背景とした低コスト化を図る。150~200mmラインに関しても生産改善によって今後3年で生産能力を40%拡大する。(3)に関しては,SoC開発向けの共通プラットフォームを新規受注品から順次適用し,効率向上を目指す(リリース)。

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