東レは,台湾系の樹脂コンパウンド会社である吉祥塑料科技の株式を70%取得し,樹脂コンパウンドと着色品を製造する新会社「東麗吉祥塑料科技(蘇州)」を設立すると発表した。資本金は約500万米ドルで,生産能力は1万8000t/年。東レは新会社の設立によって,中国の華東地区での樹脂コンパウンド製品の供給体制を強化する。

 華東地区は,欧米系自動車メーカーの生産拠点として成長してきたが,近年は,日系企業やアジア系,欧米系の電機/電子部品メーカー,家電メーカーなどが相次いで進出している。これに伴ってエンジニアリング・プラスチックの需要が大きく増えるとみられることから,東レは現地供給体制の強化を決めた。従来の吉祥塑料科技が持つ技術に加え,東レのコンパウンド技術を導入することで,高品質生産体制を構築する。

 東レは新会社を,同地区でのエンジニアリング・プラスチック,ABS樹脂の高機能コンパウンド品を生産する中核拠点と位置付ける。既に東レでは,そのほかの地区についても拠点の整備/拡充を進めている。華南地区には,2005年に樹脂販売会社と樹脂コンパウンドの生産会社を設立した。