iPod Hi-Fiを発表するJobs氏
iPod Hi-Fiを発表するJobs氏
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Intel社のマイクロプロセサを搭載したMac mini
Intel社のマイクロプロセサを搭載したMac mini
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iPod Hi-Fi
iPod Hi-Fi
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iPod Hi-Fiの上部
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「これからはiPodをもっと家の中で使ってもらう。だからステレオ・クオリティのシステムが必要だ——」(米Apple Computer,Inc. CEOのSteve Jobs氏)。

 米Apple Computer,Inc.は米国時間の2006年2月28日にカリフォルニア州クパティーノにある同社の本社において記者発表会を開催し,iPodに接続して利用するオーディオ・システム「iPod Hi-Fi」と,米Intel Corp.のマイクロプロセサを搭載した新型Mac miniなど新製品を相次いで発表した。

 iPod Hi-Fiは,上部中央にiPodをドッキングして利用するスピーカー・システム(ニュースリリース)。iPodシリーズのほか「iPod nano」や「iPod shuffle」とも接続が可能。価格は349米ドルで,即日販売を開始した。Apple社は「こうしたステレオ・クオリティの機能をiPodに加える周辺機器を当社が発売するのは初めて」とするなど,iPod Hi-Fiを従来の同社周辺機器と一線を画した製品と位置づける。

 同社CEOのJobs氏は壇上でiPod Hi-Fiについて,「true high-fidelity sound quality」と音質の良さを何度も強調した。「こうした音質の高いステレオ・システムは既に販売されている。しかしそれらは800米ドル~1000米ドルと高価だ。それを今回349米ドルで提供する」(CEOのJobs氏)とし,他の音響機器メーカーなどが手掛けるオーディオ・システムに比較して低価格であると主張した。このほかApple社が「iMac」などに採用する赤外線リモコン「Apple Remote」で操作できるほか,電池駆動も可能にしている。

Front Row でリモコン操作可能に


 新型Mac miniでは,Intel社のデュアルコア型マイクロプロセサ「Core Duo」を搭載したモデルと,シングルコア型マイクロプロセサ「Core Solo」を搭載したモデルの2種類がある(ニュースリリース)。例えば「Core Solo」を搭載したモデルでは,Mac mini G4に比較して2.5倍~3.2倍の処理性能があるという。いずれもリモコンで操作できるユーザー・インタフェース「Front Row」を搭載しており,格納したマルチメディア・データを簡易な操作で再生したり表示したりできる。また,無線LANなどによりネットワーク接続したほかのパソコンに格納したデータを,Mac miniからFront Rowを使って呼び出すことも可能にした。

 発表会場では,Front Rowと簡易なネットワーク接続設定技術「Bonjour」を組み合わせた実演を行った。Apple社のノート・パソコン「MacBook Pro」と無線LAN経由で接続し,MacBook Pro側に格納された楽曲や静止画,動画などのデータを呼び出して再生した。「Front RowとBonjourを組み合わせた使い方は,今後Mac miniのみならずほかの当社のパソコンで広く利用されることになるだろう」(Apple社)。このほか両モデルとも,GビットEthernetと無線LAN,およびBluetooth(Version 2.0+EDR),DVIインタフェースなどを標準搭載した。

 デュアルコア型プロセサを搭載したモデルは,最大動作周波数が1.66GHz,主記憶は512MバイトのDDR2方式SDRAM,光ディスク装置には8倍速の「SuperDrive」(DVD+R DL/DVD±RW/CD-RW),80Gバイトのハード・ディスク装置を装備して,価格は799米ドル。一方シングルコア型プロセサを搭載したモデルは,最大動作周波数が1.5GHz,主記憶は512MバイトのDDR2方式SDRAM,光ディスク装置にはコンボ・ドライブ(DVD-ROM/CD-RW),60Gバイトのハード・ディスク装置を装備して,価格は599米ドルである。いずれも発表当日から販売を開始した。